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庄司紗矢香・プレイズ・リゲティ

2009年 5月19日付

ジェルジ・リゲティ(Gyorgy Ligeti)の晩年を代表する作品《ヴァイオリン協奏曲》(Konzert fur Violine und Orchester)が、庄司紗矢香の独奏により、5月26日と27日に大阪で、6月1日に東京で演奏される。オーケストラはそれぞれ、5月がヨナス・アルバー指揮大阪フィルハーモニー交響楽団(第428回定期演奏会)、6月はジョナサン・ノット指揮NHK交響楽団(Music Tomorrow 2009)。

《ヴァイオリン協奏曲》は、ヴァイオリニストのサシュコ・ガヴリーロフと西部ドイツ放送協会(WDR)の委嘱によって作曲され、1990年11月に献呈者でもあるガヴリーロフの独奏によって世界初演。後に全5楽章に増補改訂され、1992年10月、同じくガヴリーロフの独奏、ペーテル・エトヴェシュ指揮のアンサンブル・モデルンによって改訂初演された。

自然倍音に基づく微分音程による「調子っぱずれな音」と通常に調律された音との組み合わせによって、作曲者は「数多の調和と非調和とによるスペクトルをつくりだすことができる」とプログラム・ノートの中で説明しているが、歪んだ音空間によって現れる、脆いほどの繊細さと危険なまでの狂気とを、庄司とそれぞれのオーケストラがどう表現するのか、大いに注目される。

ヨナス・アルバー(Jonas Alber)は1969年ドイツ生まれ。フライブルクでヴァイオリンと指揮を学ぶ。1998年から2007年までドイツのブラウンシュヴァイク州立歌劇場の音楽監督を務めた。 アルバーにとって、今回は日本のデビュー公演にあたる。ジョナサン・ノット(Jonathan Nott)は1963年イギリス生まれ。2000年からバンベルク交響楽団の音楽監督を務めているが、現代音楽の指揮活動も活発で、リゲティのほとんどの管弦楽作品を新録音で集めたCD「リゲティ・プロジェクト」において、《アトモスフェール》《レクイエム》《ロンターノ》などを、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とともに録音している。また、2006年にもMusic Tomorrowに出演しており《サンフランシスコ・ポリフォニー》を指揮している。

大阪公演の詳細(大阪フィルハーモニー交響楽団ウェブサイト 第428回定期演奏会)
東京公演の詳細(NHK交響楽団ウェブサイト Music Tomorrow 2009)



? オンラインショップ:リゲティの楽譜
https://www.schottjapan.com/publication/shop/composers/ligeti.html

? リゲティ作品詳細

ヴァイオリン協奏曲(1990/92)
music_2.gif Naxos Music Library で試聴


ロンターノ(1967)
music_2.gif Naxos Music Library で試聴


サンフランシスコ・ポリフォニー(1973-74)
music_2.gif Naxos Music Library で試聴


アトモスフェール(1961)
music_2.gif Naxos Music Library で試聴
http://ml.naxos.jp/work/141134
http://ml.naxos.jp/work/272430