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イタリアの2つの音楽祭で武満徹、細川俊夫を特集

2009年 7月31日付

この秋イタリアでおこなわれる2つの音楽祭で、武満徹と細川俊夫が特集される。9月にミラノ、トリノの2都市でおこなわれる「ミラノ・トリノ9月音楽祭」では細川俊夫を特集。オペラ《班女》のイタリア初演をはじめ、《旅人》《雲と光》《循環する海》といった管弦楽作品に焦点を当てたポートレート・コンサートなど、オペラ、管弦楽、室内楽、邦楽とあらゆるジャンルの代表作を通して、作曲家・細川俊夫を紹介する。「ミラノ・トリノ9月音楽祭」の終了直後に再びミラノを舞台に開始されるのが、武満徹を特集する「ミラノ・ムジカ」。2ヶ月以上におよぶ音楽祭期間中、初期から後期に至るまで、またテープ音楽から管弦楽まで、幅広く武満の作品が紹介される。10月11日におこなわれる室内楽の演奏会には今井信子、吉野直子ら武満から大きな信頼を受けていた演奏家が出演。世界初演にも携わった《鳥が道に降りてきた》《そして、それが風であることを知った》などを演奏する。武満が音楽を担当した映画『砂の女』(勅使河原宏監督)、『どですかでん』『乱』(黒澤明監督)も音楽祭期間中に上映される。湯浅譲二、細川俊夫の作品も数作品演奏されるが、音楽祭最終日の11月8日に、武満の《弦楽のためのレクイエム》とともに演奏される細川の《ヒロシマ・声なき声》イタリア初演は大きな反響を呼びそうだ。


ミラノ・トリノ9月音楽祭(MITO Settembre Musica)

9月4日 テアトロ・アストラ(トリノ)
9月5日 サンタレッサンドロ教会(ミラノ)
細川俊夫
4人の僧侶と5人の雅楽奏者のための《新・観想の種子 -マンダラ-》
アンサンブル遊聲

9月14日 テアトロ・アストラ(トリノ)
9月15日 ミラノ・ピッコロ・テアトロ(ミラノ)
細川俊夫
オペラ《班女》
ルカ・ヴェジェッティ(演出)
半田美和子(ソプラノ) フレドリカ・ブリレンブルク(メゾソプラノ)他 
ムジークファブリック 
ヨハネス・デビュス指揮

9月16日 トリノ・ヴェルディ音楽院(トリノ)
9月17日 サンテウフェミア聖堂(ミラノ)
細川俊夫
弦楽四重奏のための《沈黙の花》
弦楽四重奏のための《開花》
ディオティマ弦楽四重奏団

9月17日 現代美術館(トリノ)
9月18日 ポルディ・ペッツォーリ美術館(ミラノ)
パネルディスカッション「今日の日本における音楽と美術」
パネリスト: 磯崎新(建築家)  ガエ・アウレンティ(建築家)
エンツォ・レスターニョ(音楽評論家) 細川俊夫(作曲家) ほか

9月17日 RAIアルトゥーロ・トスカニーニ・ホール(トリノ)
9月18日 国立ミラノ・ヴェルディ音楽院ヴェルディホール(ミラノ)
細川俊夫
打楽器とオーケストラのための協奏曲《旅人》
笙とオーケストラのための《雲と光》
オーケストラのための《循環する海》
中村功(打楽器) 宮田まゆみ(笙)
RAI国立交響楽団 
ジョナサン・ストックハマー指揮


ミラノ・ムジカ(Milano Musica)

9月24日 スカラ座(ミラノ)
武満徹
オーケストラのための《トゥイル・バイ・トワイライト -モートン・フェルドマンの追憶に-》
オーケストラのための《冬》*
細川俊夫
《ハープ協奏曲「回帰」-辻邦生の追憶に-》
吉野直子(ハープ) スカラ・フィルハーモニー管弦楽団
本名徹次指揮

10月3日 ダル・ヴェルメ劇場(ミラノ)
武満徹
ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための《ノスタルジア -アンドレイ・タルコフスキーの追憶に-》
17弦楽器群のための《地平線のドーリア》*
Rimma Benyumova(ヴァイオリン)
Orchestra I Pomeriggi Musicali
杉山洋一指揮

10月11日 国立ミラノ・ヴェルディ音楽院プッチーニ・ホール(ミラノ)
武満徹
テープのための《ルリエフ・スタティク》
ハープとテープのための《スタンザⅡ》*
ヴァイオリンとピアノのための《十一月の霧と菊の彼方から》
ピアノのための《雨の樹素描》
ヴィオラとピアノのための《鳥が道に降りてきた》
フルート、ヴィオラ、ハープのための《そして、それが風であることを知った》
湯浅譲二
アルト・フルートのための《礼楽 -尹伊桑の追憶に-》
マッシモ・マルキ(音響) 今井信子(ヴァイオリン、ヴィオラ)
フランソワ・キリアン(ピアノ) ジャック・ズーン(フルート)
吉野直子(ハープ)

10月19日 ミラノ・ピッコロ・テアトロ(ミラノ)
武満徹
フルート、クラリネット、ハープ、ピアノ、ヴァイブラフォンための《雨の呪文》
ピアノのための《雨の樹素描Ⅱ -オリヴィエ・メシアンの追憶に-》
3人の打楽器奏者のための《雨の樹》
細川俊夫
マリンバのための《想起》
ドメニコ・アルファーノ(フルート) Riccardo Crocilla(クラリネット) 
Elena Zuccotti(ハープ) Ljuba Moiz(ピアノ)
Andrea Dulbecco、Maurizio Ben Omar、Luigi Gaggero(打楽器)

11月8日 ミラノ・ヴェルディ音楽院ヴェルディホール(ミラノ)
武満徹
《弦楽のためのレクイエム》*
細川俊夫
独唱者、朗読、混声合唱、テープとオーケストラのための《ヒロシマ・声なき声》
藤井美雪(アルト) Christoferus Wood(朗読)
ひろしまオペラルネッサンス合唱団
RAI国立交響楽団 
アンドレア・ペスタロッツァ指揮


*ショット・ミュージック非管理作品