1933年2月4日、神戸に生まれる。
作曲家、ピアニスト。作曲を平尾貴四男、池内友次郎、ジョン・ケージに、ピアノを原智恵子、ヴィヴェレッジ・ヴェブスターの各氏に師事。
第18回(1949)および20回(1951)日本音楽コンクール作曲部門第1位入賞。1954年から57年までニューヨークのジュリアード音楽院に学び、その間にエリザベス・クーリッジ賞、セルゲイ・クーセヴィツキー賞、アレキサンダー・グレチャニノフ賞を受賞。
1961年帰国。自作および日欧米の新しい音楽の紹介と演奏をおこない、さまざまな分野に強い刺激を与える。
1967年、ロックフェラー財団の招聘で渡米、アメリカ各地で作品発表会をおこなう。
1976年、西ドイツ政府の招聘でベルリン市に滞在、欧州各地の音楽祭で自作の発表と邦人作品の演奏をおこなう。その後再々訪欧し、ヨーロッパのプロムジカ・ノヴァ・フェスティヴァル(1976)、メタムジーク・フェスティヴァル(1976)、ケルン現代音楽祭(1978、 81)、オランダ・フェスティヴァル(1979)からの作品の委嘱と演奏会のほか、1981年はベルリン芸術週間からの招聘により委嘱作を含めた作品演奏会、と内外で作曲と演奏活動を意欲的に展開する。
ピアノ協奏曲第1番《空間の記憶》で1981年度第30回尾高賞を受賞。1984年に、作曲、演奏、プロデュース活動に対して中島健蔵賞を受賞。また、2度目の尾高賞をヴァイオリン協奏曲《循環する風景》で受賞。2月にはカーネギー・ホールで同ヴァイオリン協奏曲をニューヨーク初演、6月には「今日の音楽」フェスティヴァルの1984年度のテーマ作曲家として、西武劇場で作品演奏会をおこなう。6月27日に日仏文化サミットの一環として、武満 徹とともにパリのシャンゼリゼ劇場でフランス国立管弦楽団、指揮岩城宏之によるオーケストラ作品の演奏会をおこなう。その功績により、1985年5月、フランス政府より芸術文化勲章を受章。
1988年11月、サントリー音楽財団の主催による「作曲家の個展: 一柳 慧」で、同財団委嘱曲、交響曲《ベルリン連詩》を発表。この演奏会の成果により、1989年1月第30回毎日芸術賞受賞。同じく1989年には、京都音楽賞大賞、また、ピアノ協奏曲第2番《冬の肖像》により3度目の尾高賞を、それぞれ受賞している。
80年代から90年代にかけて、国立劇場からの委嘱により、雅楽、伶楽、声明、舞のための大規模な作品群、《往還楽》、《雲の岸、風の根》、伶楽交響曲《闇を熔かして訪れる影》などを継続的に発表。1989年9月には、国立劇場の二つのホールを同時につかった伶楽交響曲第2番《日月屏風一雙 虚諧》を初演。
1989年に伝統楽器群と声明を中心とした合奏団「TIME-東京インターナショナル・ミュージック・アンサンブル−新しい伝統」を組織。以来、アメリカ各都市と、イギリス、ドイツ、オーストリア、フランス、ノルウェーなどヨーロッパ各地の演奏旅行をおこない、ベルリン・フェスティヴァル、ウィーン・モデルン、ハダースフィールド現代音楽祭、ウルティマ・フェスティヴァルなど、多くの音楽祭に出演し、自身の伝統楽器群と声明、舞のための《道》、《道Ⅱ》などを初演している。
1990年、交響曲《ベルリン連詩》で、4度目の尾高賞受賞。
1999年、紫綬褒章を受章。
2002年、第33回サントリー音楽賞受賞。
2003年、新国立劇場の委嘱でオペラ《光》を初演。
2004年、PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)のコンポーザー・イン・レジデンス
2005年4月、旭日小綬章を受章。
現在、「TIME-東京インターナショナル・ミュージック・アンサンブル−新しい伝統」の芸術監督、現代音楽祭インターリンク・フェスティヴァル芸術監督、国立劇場専門委員、日本音楽コンクールの委員、神奈川芸術文化財団芸術総監督などをつとめ、現代音楽の普及にも携わっている。