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細川俊夫のオペラ《松風》日本初演  サシャ・ヴァルツ演出

2017年 12月 1日付

Ilse Eerens ©Sarah Wijzenbeek / Charlotte Hellekant ©Mats Bäcker


細川俊夫作曲によるオペラ《松風》(2010)の日本初演が、東京の新国立劇場で2018年2月16日から始まる。待望の国内上演で披露されるのは、2011年の世界初演以来これまで各地で再演を重ねてきた、サシャ・ヴァルツの演出による傑作プロダクションだ。

能を下敷きとした幽玄の世界を描き出す細川の音楽、舞踊と声、そして美術家の塩田千春によるインスタレーションが一体となったヴァルツ演出の《松風》は「コレオグラフィック・オペラ」と称され、本作を代表するプロダクションとして高い評価を得ている。オペラ・ファンのみならず、美術やダンスのファンも必見の公演となるだろう。

1幕のオペラ《松風》はブリュッセルのモネ劇場による委嘱作品。世阿弥の能『松風』を原作として、ハンナ・デュブゲンがドイツ語のリブレットを手がけた。月夜の浜辺に辿り着いた旅の僧のもとに、かつて貴族を愛した美しい姉妹(松風と村雨)の亡霊が現れる。姉妹は報われなかった愛を僧に語り、狂おしい舞いと陶酔のうちに昇天する。物語について細川は、「魂の苦しみと悲しみ、魂の浄化」という普遍的なテーマとして欧米の観客にも伝わっているようだ、と述べている。

ダンス・カンパニー「サシャ・ヴァルツ&ゲスツ」を主宰する振付家サシャ・ヴァルツによるこの演出では、歌手もダンサーと同様に踊りながら歌う。能における謡と舞の統一された様式美を、新しい形で再構築したかのようなこのプロダクションは、2011年にモネ劇場で行われた世界初演以来、ワルシャワ、ルクセンブルク、ベルリン、リール、香港で上演され、各地の観客を魅了してきた。

今年4月に行われた本作のワルシャワ公演でも共演したイルゼ・エーレンスとシャルロッテ・ヘレカントが、松風と村雨をそれぞれ演じる。いずれも、細川作曲のオペラや声のための作品において重要な役割を果たしてきた歌手だ。特にヘレカントは、昨年の香港公演を除くすべてのヴァルツ・プロダクションに出演してきた不動の村雨役であり、またメゾ・ソプラノと12人の奏者のためのモノドラマ《大鴉》においても、その世界初演(2012・ブリュッセル)以来、東京を含む各地で独唱を務めている。エーレンスは2015年に、スザンヌ・エルマーク(ソプラノ)、大野和士(指揮)、東京都交響楽団とともに《嵐のあとに》の世界初演を行った(東京、ルクセンブルク、ベルリン)。

旅の僧役を期待の若手グリゴリー・シュカルパ、須磨の浦人役を萩原潤が、それぞれ演じる。指揮はベルリン、リール、香港での公演を率いたデヴィッド・ロバート・コールマン、演奏は東京交響楽団と新国立劇場合唱団による。


細川俊夫
松風
オペラ(1幕)
Toshio Hosokawa: Matsukaze – Opera in one act

原作:世阿弥『松風』
リブレット:ハンナ・デュブゲン(ドイツ語)

日本初演
新国立劇場 オペラパレス(東京)
2018年2月16日(金)19:00
2018年2月17日(土)15:00*
2018年2月18日(日)15:00
*アフタートーク(細川俊夫、サシャ・ヴァルツ)

指揮:デヴィッド・ロバート・コールマン
演出・振付:サシャ・ヴァルツ
美術:ピア・マイヤー=シュリーヴァー、塩田千春
衣装:クリスティーネ・ビルクレ
照明:マルティン・ハウク
ドラマツルグ:イルカ・ザイフェルト

出演:
イルゼ・エーレンス(松風)
シャルロッテ・ヘレカント(村雨)
グリゴリー・シュカルパ(旅の僧)
萩原潤(須磨の浦人)

東京交響楽団
新国立劇場合唱団
サシャ・ヴァルツ&ゲスツ(ダンス)
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/9_009639.html

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