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権代敦彦 弦楽四重奏のための《ソラのその先》世界初演

2024年 5月 31日付

権代敦彦/Atsuhiko Gondai

photo © Michiharu Okubo

6月6日、札幌コンサートホール Kitaraにて、権代敦彦の新作《ソラのその先》がクァルテット・エクセルシオによって世界初演される。

クァルテット・エクセルシオは、日本では数少ない常設の弦楽四重奏団で、国内外での公演に加え、アウトリーチ活動や現代作品の演奏にも意欲的に取り組み、長年にわたり室内楽界を牽引してきた。

弦楽四重奏のための《ソラのその先》は、クァルテット・エクセルシオの6月に行われる定期演奏会のために、彼らの結成30周年を記念して委嘱された。定期演奏会に委嘱新作の初演が組み込まれるのは、彼らにとって初めての試みであると言う。

「『エクセルシオ』の名が示すとおり、さらに高いところを目指すクァルテット」のために、「高い空を見上げるところから作曲が始まった」と作曲家は語る。空は音階のソ・ラに読み替えられて、「一点の曇りもない青空のように」曲全体がソ・ラに染まる。

耳を澄ませると、そこにあの「聖ヨハネ賛歌」が聞こえてくるだろう・・・そう、ドレミファ階名の由来となった中世の賛歌だ。
もちろん、その中の、ソの行 “Solve polluti”(私たちの穢れた唇から)と、ラの行 “Labii reatum”(罪を拭い去ってください)が、ここでは強調され、曲を浄める。

ソ・ラ(空)のその先には、何があり、何が聞こえるのだろう?
”シ”(死=永遠)なのか? それはまだ”ド”に至る一つ前の、導音に過ぎないのか!?

(権代敦彦)

クァルテット・エクセルシオの活動の更なる飛躍を期待して、どこまでも高く広がる青空になぞらえて作品に込められた作曲家の想いに、ともに耳を傾けてほしい。

権代敦彦
ソラのその先》(2024)
弦楽四重奏のための
Au-delà de Sol-La
for string quartet

【世界初演】
クァルテット・エクセルシオ
2024年6月6日(木)19:30 札幌コンサートホール Kitara
https://quartet-excelsior.wixsite.com/schedule/24-6-6%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E6%BC%94%E5%A5%8F%E4%BC%9A
2024年6月13日(木)19:00 東京文化会館
https://quartet-excelsior.wixsite.com/schedule/24-6%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E6%BC%94%E5%A5%8F%E4%BC%9A