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新刊楽譜のご案内(2024年5月)

2024年 5月 31日付

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2024年5月にショット・ミュージックの新刊として発売された演奏用楽譜をご案内します。


オーボエのための《3つのエッセイ》(2014)は、2016年4月にドイツのケルンで開催された「アハト・ブリュッケン」においてアンサンブル・ムジークファブリークのメンバーであるピーター・ヴィールによって初演された。演奏時間は8分。


ソプラノとハープための《3つの天使の歌》(2014)は、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学 campUSCulturae と、ベルギーのコンセルトヘボウ・ブルージュの共同委嘱により作曲された。作品は、コンセルトヘボウ・ブルージュ内に描かれた壁画『天使』(リュック・タイマンス画)からインスピレーションを得ており、〈I. 祈り〉(詞:エルゼ・ラスカー=シューラー)、〈II. 天使からの挨拶〉(詞:ゲルショム・ショーレム)、〈III. 逃避〉(詞:エルゼ・ラスカー=シューラー)の3曲から成っている。スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ大学で7月29日から3日間にわたって催された『son[UT]opias 2014』において、角田祐子と吉野直子によって初演された。演奏時間は20分。

天使は、この世とそれを超えた目に見えないもう一つの世界の中間に存在する存在であり、もう一つの世界を私たちに垣間見せてくれる「使者」である。私は近年、シャーマニズムに興味を持ち、音楽家は、音によって私たちが生きている世界を超えた次元を見せてくれるシャーマンと位置づけて作曲を続けてきた。

この作品では、ソプラノは天使として、またシャーマン(巫女)として歌う。選んだテキストは、ユダヤ系ドイツ人の女性詩人エルゼ・ラスカー=シューラーと、これもユダヤ系の哲学者ゲルショム・ショーレムの詩による。

(細川俊夫)