ベルンハルト・ショット
ショット社は、1770年ベルンハルト・ショットによってドイツのマインツに設立された、230年を越える歴史を持つドイツ最大の音楽出版社です。創立当初は宗教曲、宮廷音楽などの出版をしていましたが、19世紀に入り、ベートーヴェンの作品の出版を手がけたことがショット社の歴史にとっても、また音楽史的にも重要な意味を持つ事業となりました。 《ミサ・ソレムニス Op. 123》、《交響曲第9番 Op. 125》、などベートーヴェンの後期の重要な作品がショット社から出版されました。1859年にはワーグナーと契約をかわし、《ニーベルングの指環》、《ニュルンベルクのマイスタージンガー》、《パルジファル》など、当時他の音楽出版社が、あまりの巨大さに尻込みしたといわれる作品をショット社がてがけました。ショット社にとってもワーグナーのオペラを出版するのは極めて困難な事業でしたが、これによりショット社は「ワーグナーの出版社」と呼ばれる栄誉を手にしました。
常に時代の新しい音楽を出版し、人々に紹介する、というショット社の姿勢はベートーヴェンやワーグナーの時代から今日に至るまでいささかも変わることなく引き継がれています。現在のショット社のカタログには、ヒンデミット、シェーンベルク、オルフ、ストラヴィンスキー、コルンゴルト、マルティヌー、グレインジャー、ロドリーゴ、クライスラー、フランセ、ノーノ、ヘンツェ、リゲティ、ティペット、ペンデレツキ、ターネジなど、近現代を代表する作曲家が名を連ねており、若手作曲家の作品の出版にも積極的に取り組んでいます。
ショット社では『ワーグナー全集』『シェーンベルク全集』『ヒンデミット全集』『シューマン全集』『チャイコフスキー全集』『ムソルグスキー全集』など、歴史的意義を持つ全集の出版をはじめ、古典から現代にわたるクラシック音楽から、ジャズ、ポピュラーにいたるあらゆる種類の楽譜と音楽関連書籍を出版しており、その総数は30,000点を越えます。また、定期刊行物としては、1834年ロベルト・シューマンによって創刊された『Neue Zeitschrift für Musik』、音楽教育のための『Musik und Bildung』、オーケストラ専門誌『Das Orchester』などの雑誌があります。現代音楽を中心とするCDの制作販売もおこなっており、Wergoのレーベルで親しまれています。
現在、ショット社はマインツの本社を中心に、ロンドン、パリ、ニューヨーク、東京、香港などに支社を持ち世界中で業務を展開しています。
より詳しいショット社の歴史についてはこちらをご覧下さい。
ショット社ウェブサイト
http://www.schott-music.com/(英語)
http://www.schott-musik.de/index.html(ドイツ語)
http://www.schott-music.com/about/image_film/(コーポレートビデオ)
ショット本社(ドイツ、マインツ)