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細川俊夫 《見えない天使》世界初演

2023年 5月 2日付

細川俊夫/Toshio Hosokawa

photo © Kaz Ishikawa

5月6日、リトアニアのヴィリニュス大学構内、聖ヨハネ(ヨノ)教会にて行われる細川俊夫のポートレート・コンサートにおいて、新作《見えない天使》が世界初演される。

リトアニアの首都、ヴィリニュスの旧市街に位置するヴィリニュス大学は1579年設立という長い歴史を誇る大学で、その構内にある聖ヨハネ(ヨノ)教会は、14世紀後半、リトアニアがカトリックに改宗した直後から建設が始められ、16世紀末にイエズス教会所有となった後、18世紀に大学の教会となった。1737年の火災の後にバロック様式に改築されている。

この聖ヨハネ(ヨノ)教会の内部には6つの礼拝堂があり、本堂の東側にある18世紀の祭壇は10の独立した祭壇からなる複雑な構造を持っている。その壮麗な祭壇は視覚的音楽とも呼ばれ、バロック様式の装飾の傑作として知られている。

細川はヴィリニュス大学を訪れた際に、その美しい歴史的建造物の中で、「純粋な魂の静かで、目に見えない力」を感じたという。壮絶な歴史に翻弄されてきたリトアニア、その独立を支えてきたのは、この目に見えない力ではないか、と作曲家は考えている。

聖ヨハネ(ヨノ)教会の美しい祭壇やオルガンの周りには、今にも動き出しそうな天使たちの像が見られる。細川はそんな天使たちの「声なき声」を聴き、ヴァイオリンとアコーディオンのための小品を生み出した。作曲家によると、「ヴァイオリンが天使の声を表し、アコーディオンは天使を取り囲む神聖な雲をイメージしている」。

このコンサートでは、新作の他、弦楽四重奏のための《開花》《沈黙の花》、アコーディオンのための《線 V》《メロディア》などが演奏される。

細川俊夫
《見えない天使―ヴィリニュス700年を記念して―》(2023)
ヴァイオリンとアコーディオンのための
Invisible Angels - for the city Vilnius 700th anniversary
for violin and accordion
【世界初演】
《開花》弦楽四重奏のための
《線 V》アコーディオンのための
《小さな歌》チェロのための
《沈黙の花》弦楽四重奏のための
《メロディア》アコーディオンのための
Raimondas Sviackevičius(アコーディオン) Chordos String Quartet
2023年5月6日(土)18:00/20:00 ヴィリニュス大学(ヴィリニュス, リトアニア)
https://www.musicforvilnius.com/en/toshio-hosokawa-2/