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ペンデレツキ逝去

2020年 4月 2日付

Krzysztof Penderecki

photo © Marek Beblot

ポーランドを代表する作曲家、指揮者であるクシシュトフ・ペンデレツキが3月29日、クラクフの自宅で亡くなった。86歳だった。

1933年、ポーランドの南部デンビツァ生まれ。クラクフ音楽院で作曲を学び、1959年、ポーランド作曲家協会主催の新人作曲家コンクールで三つの最高賞を同時受賞し、注目を集める。創作初期には、《広島の犠牲者に捧げる哀歌》(1960)やミュンスター大聖堂の建立700周年のために書かれた《ルカ受難曲》(1963-66)に代表される前衛的な作風で一世を風靡した。後年、次第にクラシカルな作風に転じるが、《広島の犠牲者に捧げる哀歌》やアウシュヴィッツの強制収容所で犠牲になった人々へ捧げたオラトリオ《怒りの日》(1967)、そして、2001年の米国同時多発テロ事件の衝撃を基に作曲された《ピアノ協奏曲「復活」》など、ペンデレツキの創作活動において、20世紀以降の歴史的な惨劇への深い眼差しが失われることはなかった。

ペンデレツキの作品は映画の分野でも評価され、デヴィッド・リンチ『インランド・エンパイア』、アンジェイ・ワイダ『カティンの森』など、数多くの映画に使われている。4度にわたりグラミー賞を受賞。

指揮者としても精力的に活躍し、ベルリン・フィルやニューヨーク・フィルなど数々の著名なオーケストラや一流のソリストたちと共演を重ね、自作のみならず、古典から現代作品まで幅広いプログラムを取り上げてきた。昨年6月には、日本・ポーランド国交樹立100周年記念公演(広島・東京)のために来日し、自作の《平和のための前奏曲》と《ヴァイオリン協奏曲第2番「メタモルフォーゼン」》を指揮したことも記憶に新しい。

作品は、ショット・ミュージック(独)(Schott Music GmbH & Co. KG)などから出版されている。


クシシュトフ・ペンデレツキ氏のご冥福を心よりお祈りします。

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「さようなら、クシシュトフ・ペンデレツキ」
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