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小出稚子《Oyster Lullaby》世界初演

2019年 5月 31日付

Federico Gardella/小出稚子

photo © Altrospazio Photography

「Hiroshima Happy New Ear 27―次世代の作曲家たち VI」

6月14日、細川俊夫が監修する「Hiroshima Happy New Ear 27(広島の新しい耳)―次世代の作曲家たち VI」のコンサートで、小出稚子《Oyster Lullaby》(委嘱新作)とゲスト作曲家フェデリコ・ガルデッラ《Two Souls》小オーケストラ版(共に世界初演)、細川俊夫《旅V》他が石川星太郎の指揮、広島交響楽団によって演奏される。

小出稚子のオーケストラのための《Oyster Lullaby》(2018-2019)は、ヒロシマをテーマに委嘱された作品である。広島の海に眠る牡蠣たちは、人間の知らない間に、戦争の悲しい記憶を吸っては吐いて浄化しつづけてきた、と語る小出の言葉に窺えるように、この作品では、そんな牡蠣の様子が音楽化されている。

イタリアの新進気鋭の作曲家フェデリコ・ガルデッラは、これまでにも能役者青木涼子とコラボレーションし、世阿弥の戯曲による声とフルートのための《風の声》(2011)を手がけている。今回、新しい版として世界初演される能と小オーケストラのための《Two Souls》は、世阿弥の謡曲『錦木』(男性の女性への叶わぬ恋慕)を基にして作曲された。伝統的な謡と現代の音楽の間にどんな関係を創りだすことができるのか、《Two Souls》はそうした問いから生まれた作品である。

細川俊夫のフルートと室内オーケストラのための《旅V》(2001)は、これまでに10曲を数える独奏者とアンサンブルのための協奏曲「旅」シリーズのひとつである。ここでは独奏者は人、アンサンブルは人の内と外に広がる自然と捉えられている。人が自然に歌いかけ、自然がそれに応答する、そうしたやり取りを経て人が成長していくプロセスが「旅」に喩えられている。広島交響楽団メンバーの森川公美がフルート・ソロを務める。

小出稚子
Oyster Lullaby(2018-2019)
オーケストラのための
Noriko Koide: Oyster Lullaby for orchestra
世界初演

フェデリコ・ガルデッラ
Two Souls(2017/2018)
能と小オーケストラのための
Federico Gardella: Two Souls for Noh and small orchestra
小オーケストラ版・世界初演

細川俊夫
旅 V(2001)
フルートと室内オーケストラのための
Toshio Hosokawa: Voyage V for flute and chamber orchestra

Hiroshima Happy New Ear 27―次世代の作曲家たち VI
2019年6月14日[金]19:00 JMSアステールプラザ(広島)
森川公美(フルート)、青木涼子(能)、石川星太郎(指揮)、広島交響楽団
http://h-culture.jp/opera/classic/event4/entry-2097.html