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第28回武生国際音楽祭 ユン、武満、ベリオ、リゲティ、細川らの作品を演奏

2017年 8月 1日付

© Kaz ishikawa


細川俊夫が音楽監督を務める「武生国際音楽祭」が、今年も福井県越前市で9月10日から1週間にわたって開催され、クラシックからコンテンポラリーまで多彩なプログラムによるコンサートのほか、作曲ワークショップ、夏季アカデミー(演奏家マスタークラス)が行われる。

「旧・新ウィーン楽派からコンテンポラリーへ」をテーマとして掲げる今年の音楽祭では、モーツァルトやベートーヴェンなどの古典から、マーラー、ベルク、ウェーベルンなどの19世紀後半・20世紀初頭までのウィーンの音楽を中心に、武満、ベリオ、リゲティといった現代作品、そして作曲ワークショップの講師も務めるイザベル・ムンドリー、金子仁美、ジョン・アイルワード、細川ら、いま同時代を生きる作曲家たちの作品がプログラミングされている。

細川とムンドリーの作品を特集する15日のコンサートでは、夏季アカデミーの講師を務めるマリオ・カーロリ(フルート)が、辺見康孝、大野若菜、多井智紀らと共に細川作曲によるアルト・フルートと弦楽トリオのための《綾 Aya》(2016)の日本初演を行う。同じく今年の夏季アカデミーの講師として招かれているイエルーン・べルワルツ(トランペット)は12日、中川賢一(ピアノ)とのデュオ・コンサートを開き、同デュオ名義のCD『トランペット・テールズ』[NARD-6004 / 2016]にも収録された、細川俊夫《霧のなかで Im Nebel》や、リゲティ/ハワース《ミステリー・オヴ・ザ・マカーブル Mysteries of the Macabre》などを披露する。

アジアの重要な作曲家の1人であり、細川の師でもある尹伊桑(ユン・イサン)の生誕100年となる今年は、その誕生日にあたる9月17日のコンサートでユンの室内楽作品を特集。卓越した技巧と音楽解釈をもって国際的に活躍するイリヤ・グリンゴルツ(ヴァイオリン)と、本音楽祭のコンサートプロデューサーも務める伊藤恵(ピアノ)のコンビによるユン初期の《ガサ Gasa》など、6作品が演奏される。グリンゴルツと伊藤は14日の公演においてもデュオを組み、シューベルト《ソナチネ第2番》やベートーヴェン「クロイツェル」ソナタを演奏する。

ほかにも、コンサート歌手として欧州の一流オーケストラと数多く共演しているイルゼ・エーレンス(ソプラノ)、ザルツブルク音楽祭出演など国際的に活躍する尺八奏者の田嶋直士、サウンド・アーティストのハンス=ペーター・クーンなど、国内外から実力ある演奏家や作曲家が集う。18日には関連公演として、今年10月にヴェネツィア・ビエンナーレに出演する「武生アンサンブル」による演奏会も予定されている。


武生国際音楽祭2017
2017年9月10日(日)〜17日(日) 越前市文化センター(福井)ほか
音楽監督:細川俊夫
コンサートプロデューサー:伊藤恵
http://takefu-imf.com/