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『細川俊夫 音楽を語る──静寂と音響、影と光』アルテスより出版

2016年 12月 5日付

© Kaz ishikawa


アルテスパブリッシングより12月、新刊書籍『細川俊夫 音楽を語る──静寂と音響、影と光』が出版される。欧米の主要オーケストラ・音楽祭・オペラ劇場などから多くの委嘱を受け、作曲家として国際的な高い評価を確立した作曲家・細川俊夫が、自身の創造と思索の軌跡を語った対話による自伝である。

本書は2012年にドイツ語で出版された、細川と音楽学者のヴァルター=ヴォルフガング・シュパーラーの対話集(Toshio Hosokawa: Stille und Klang, Schatten und Licht – Gespräche mit Walter-Wolfgang Sparrer/Wolke社)を、柿木伸之(広島市立大学国際学部准教授)が和訳したもの。細川自身が語る、ドイツ留学期を含む半生、日本伝統音楽との関わり、京都学派の思想からの影響、「花」「海」「書」といった表現上のキーワードなどを通じて、その音楽の思想的・美学的背景が浮かび上がる。巻末には、今回の翻訳出版に際して更新された年譜、作品目録、ディスコグラフィが掲載され、その創作活動を見渡す資料としても貴重な1冊と言えるだろう。

聞き手のシュパーラーは尹伊桑(ユン・イサン)の研究者として知られ、かねてより尹の弟子である細川の創作にも注目してきた。本書に収められた対話を通じて「作曲家・細川俊夫のイメージの細分化を試みた」と述べる。訳者の柿木は、ヴァルター・ベンヤミンの思想を中心に、主にドイツ語圏の近現代の哲学と美学を研究。細川が音楽監督を務める「ひろしまオペラ・音楽推進委員会」のメンバーとして、その主催公演の作品解説なども執筆している。


細川俊夫 音楽を語る──静寂と音響、影と光
細川俊夫 著
ヴァルター゠ヴォルフガング・シュパーラー 聞き手
柿木伸之 訳
出版:アルテスパブリッシング

http://artespublishing.com/books/86559-154-5/

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