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ヘンツェ没後1年 東京フィルが《ピアノ協奏曲第1番》日本初演と《交響曲第9番》

2013年 9月19日付

photo cSchott Promotion / Hans Kenner

ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ没後1年となる今秋、沼尻竜典指揮、東京フィルハーモニー交響楽団がヘンツェ作品を特集する演奏会を行います。プログラムは《ピアノ協奏曲第1》日本初演と、《交響曲第9》。協奏曲のソリストは小菅優。10月10日、東京オペラシティコンサートホールにて。

全3楽章の《ピアノ協奏曲第1》(1950)は、ヘンツェ24歳の時の作品。1952年、ノエル・ミュートン=ウッド(ピアノ)、ヘンツェ指揮によって世界初演が行われました。「この時期の私の作品には確かに、バレエへの接近がある」と作曲家が語るように、各楽章は、男女2人によって踊られるバレエから、それぞれ〈アントレ(Entree)〉〈パ・ド・ドゥ(Pas de deux)〉〈コーダ(Coda)〉と題されています。ピアノパートには、ストラヴィンスキーやシェーンベルクを想起させる書法をみることができます。

交響曲第9》(1995-1997)は、ベルリン・フィルハーモニーとベルリン・フェスティヴァルの委嘱によって作曲されました。オルガンを含むオーケストラと、全曲にわたってほぼ休みなく歌われる混声合唱による、全7楽章の作品です。アンナ・ゼーガースの小説『七番目の十字架』を基にハンス=ウルリッヒ・トライヒェルが作詞、1997年にインゴ・メッツマッハー指揮、ベルリン・フィル、ベルリン放送合唱団によって世界初演が行われました。東西ドイツの統一後に書かれたこの作品は、戦時下を含め、ヘンツェが幼少期から30年近くを過ごした祖国ドイツを題材としており、「ナチス・ファシズムがもたらした時代の恐怖に抵抗し、思想の自由のために生命をかけた人々への最大級の賛辞」であると作曲家は述べています。


東京フィルハーモニー交響楽団
没後1年 今ここでしか聴けない「ヘンツェ特集」
2013年10月10日(木)19:00開演 東京オペラシティ コンサートホール
沼尻竜典(指揮 )
小菅優(ピアノ)
東京混声合唱団
東京フィルハーモニー交響楽団
http://www.tpo.or.jp/concert/20131010_01.php


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