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E・タール著『トランペットの歴史』日本語版

2012年 7月31日付

ショット・ミュージックではこの度、エドワード・H・タールの名著『Die Trompete ? Ihre Geschichte von der Antike bis zur Gegenwart』の日本語版『トランペットの歴史』を出版いたしました。紀元前から今世紀までのトランペットの変遷を、各時代の社会的背景を交えて詳述したこの歴史書は、ドイツ語による原書が1977年に出版されて以来、日本を含む世界各国のトランペット奏者や愛好家に読まれ続けています。

全9章、約300ページの本書では、紀元前から現代まで時代により大きく形態が変わったこの楽器の機構や外観、音の性格といったことから、トランペットのために書かれた各時代の音楽作品、作曲家、そしてその時代背景や社会的役割に至る、膨大な情報が包括的に述べられています。楽器の写真や関連図版も、大変興味深いものばかりです。

著者のタールは、1936年アメリカ生まれ。ボストンやシカゴでトランペットを学んだ後、1959年にヨーロッパに渡り、スイスのバーゼルで音楽学を学びました。トランペット奏者で音楽学者である彼は、ルネサンスやバロック、ロマン派時代の歴史的トランペットの演奏と研究における第一人者であり、録音と著作も数多く残しています。

訳者の中山冨士雄は、1918年東京生まれ。1941年に東京音楽学校卒業。1971年から1986年まで東京藝術大学音楽学部の教授を務め、退官後に名誉教授。続けて1986年から92年までは昭和音楽大学の教授も務めました。中山は残念ながら1997年に逝去しましたが、訳文はすでに1980年代にほぼ完成していました。今回の日本語版では、訳者のオリジナルの原稿を元に、原書の記述更新や、著者による未公開の情報追加に伴う修正等を施したもので、ドイツ語版や英語版よりも、新しい情報が含まれています。


トランペットの歴史
Die Trompete

エドワード・タール著
中山冨士雄訳

SJ 251

304ページ
四六判(188mm×128mm)
ISBN 978-4-89066-251-7



目次

  • 序論
  • ローマ帝国崩壊(476 BC)までのトランペット古代史
  • アジア型数種
  • ローマの崩壊から十字軍遠征(c. 1100)までのトランペット
  • 中世後期のトランペット(c. 1100?1400)
  • ルネサンスのトランペット(1400?1600)
  • 自然トランペットの黄金期(1600?1750)
  • トランペットの危機の時代(1750?1815)
  • トランペットの新時代 ― 1815 年から現在まで


参考音源
Courtly Trumpet Ensemble Music (BIS-CD-217)
エドワード・H・タール指揮 ベングト・エクルンド・バロック・アンサンブル
・本書174ページで紹介されているCD音源。