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細川俊夫 サントリー音楽賞受賞

2008年 3月 5日付

サントリー音楽財団は3月5日、細川俊夫が第39回(2007年度)サントリー音楽賞の受賞者に決定したと発表した。サントリー音楽賞は、「わが国の洋楽の発展にもっとも顕著な業績をあげた個人または団体に贈」られる賞。受賞理由は以下の通り。

「細川俊夫氏の音楽活動は、主に以下の2つの点において「わが国の洋楽文化の発展にもっとも功績のあった個人」としてふさわしいものである。
まず第一に作曲家として、世界の最前線で活躍している点。氏の国際的な活動は、日本の作曲家としては前人未踏といってよいものであるが、2007年に関しても、ドイツ、スイス、アメリカ、ポーランドなどにおける世界初演に加えて、代表作のオペラ『班女』がドイツで演奏されるなど、目覚ましい成果を見せた。とりわけ特筆すべきなのは、オーケストラ作品2作が日本(東京)で世界初演されていることである。これまでの活動の集大成といえる「空の風景」(1月、大友直人指揮、東京交響楽団により初演)、そして音楽の動的な性格において新境地が認められる「ダンス・イマジネール」(10月、下野竜也指揮、読売日本交響楽団により初演)は、共に細川氏の作品全体の中でも里程標といえる重みをもった作品として高く評価できる。さらに、いまだ日本での初演がなされていなかった「循環する海」が11月に東京で演奏されたことも(準メルクル指揮、リヨン国立管弦楽団)、日本の音楽界に大きな刺激を与えることになった。
そして第二に、国内の音楽祭の企画に関わる中で、日本の若手音楽家(特に作曲家)を強力に支援してきた点。現在、華々しい活躍を遂げている40代以下の日本の作曲家たちの中で、細川氏の関わった音楽祭と関わりのないものを探すことは難しい。氏のこうした活動は80年代末から強い意志を持って継続されているが、今年度も武生国際音楽祭という場において、多くの後進を指導するに至った。細川俊夫の存在は日本とヨーロッパを「現代音楽」という場を通じて積極的に媒介するものであり、その成果と功績は計り知れない。
以上の理由により、細川俊夫氏に第39回サントリー音楽賞を贈賞する。」(サントリー音楽財団ニュースリリースより)


サントリー音楽財団ニュースリリース:
http://www.suntory.co.jp/news/2008/10045.html